
「さんずいに歩く」と書く「渉」って読み方が分からない!
今回は、さんずいに歩と書く「渉」の読み方や意味・成り立ち、渉が使われる単語や人名についてまとめました。
一文字だけで見ると「なんて読むの?」と困ってしまう人が意外と多いのが現実です。名前にも使われる漢字なので間違えないためにも、一緒にチェックしていきましょう!
さんずいに歩でなんと読むか?漢字「渉」の基本情報

さんずいに歩で「ショウ・わたる」
「渉」の音読み・訓読み一覧
「さんずいに歩」と書く漢字は「渉」と書きます。
この「渉」の読み方は主に2つ。
漢字 | 音読み | 訓読み |
---|---|---|
渉 | ショウ | わた(る) |
日常的には音読みの「ショウ」が多く、熟語でもよく使われます。
訓読み「わたる」は古典文学や特定の文脈で見かける程度ですが、知っておくと便利です。
漢字「渉」の意味と成り立ち
「渉」の意味と使い方の例
「渉」の基本的な意味は、「水の中を歩いて渡る」「何かの間を行き来する」です。
現代日本語では「交渉」「渉外」など、関係を作ったり、何かをつなげるイメージで使われます。
【使い方例】
- 川を“渉る”(わたる):川を歩いて横切る
- 交渉(こうしょう):互いに意見や条件をやり取りする
-
渉外(しょうがい):外部とのやり取りや折衝
「さんずい+歩」の由来と象形
漢字の「さんずいに歩」は、その成り立ちにも面白さがあります。「さんずい」は水、「歩」は歩くを意味し、「水の中を歩いて渡る」という原義があります。
昔の中国では、川などを歩いて渡る様子を表した象形文字がルーツ。そこから「間を取り持つ」「行き来する」という意味が派生しました。

さんずい+歩の組合せの深い意味
組み合わせの深い意味 「さんずいに歩く」という組み合わせは、単純に「水の中を歩く」だけでなく、「困難を乗り越えて目標に向かう」という意味も含んでいます。流れのある川を歩いて渡るのは簡単ではありません。足を滑らせる危険もあります。そのような困難な状況を乗り越える行為を表現した漢字なのです。
このような背景から、現代でも「交渉」「干渉」など、人間関係の複雑な状況を表す言葉に「渉」が使われています。「さんずいに歩く」漢字構成には、古代の人々の知恵と経験が込められているのです。
「渉」が使われる言葉と例文
「交渉」「渉外」などの熟語例
「さんずいに歩」は、いろんな熟語で大活躍!
代表的なものは以下の通り。
熟語 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
交渉 | こうしょう | 意見をやり取りして合意点を探ること |
渉外 | しょうがい | 外部とのやり取り、連絡・調整など |
干渉 | かんしょう | 他人のことに口出し・介入すること |
日常会話や文章での使用例
【例文】
- 「A社とB社が交渉を始めた。」
- 「国際渉外部で働いています。」
- 「友達の問題に干渉しすぎるのは良くない。」
こうした熟語やフレーズの中で、「さんずいに歩」は意外と身近な存在です。
「渉」と「渡」の違いと正しい使い分け
同じ「わたる」でも意味が違う理由
「さんずいに歩く」漢字「渉」と「渡」は、どちらも「わたる」と読めますが、実は意味に重要な違いがあります。この違いを理解することで、より正確な漢字の使い分けができるようになります。
「渡」の意味と特徴 「渡」は「わたる」という行為全般を表す最も一般的な漢字です。橋を渡る、道路を渡る、海を渡るなど、場所や方法を問わず幅広く使えます。安全で確実な移動方法も含んでいます。
「渉」の意味と特徴 一方、「さんずいに歩く」漢字「渉」は、より具体的で限定的な意味を持ちます。水の流れを歩いて渡る、つまり困難や危険を伴う渡り方を表現しています。
意味の違いが生まれた理由 この違いは、それぞれの漢字の成り立ちに関係しています。「渡」は「水」と「度」から成り立ち、「度」は測るという意味があります。つまり、計画的で安全な渡り方を表しています。
対して「渉」は「水」と「歩」の組み合わせで、直接水の中を歩く危険な行為を表現しています。古代中国の『説文』という辞書でも、「渉」について「険しい水を渡る」という説明がされています。
現代では、この違いが比喩的にも使われています。「困難な状況を乗り越える」「複雑な人間関係に関わる」という意味で「渉」が使われるのは、この「危険を伴う」というニュアンスが背景にあるからです。
場面別の使い分け実例
「さんずいに歩く」漢字「渉」と「渡」の具体的な使い分け方を、実際の例文で確認してみましょう。
安全・確実な場面では「渡」を使用
例文:
- 「歩道橋を渡って向こう側に行きます」
- 「船で川を渡るのが安全です」
- 「信号が青になったら道路を渡りましょう」
- 「橋を渡る時は手すりにつかまってください」
これらはすべて、安全で確実な方法による移動を表現しているため「渡」を使います。
困難・危険な場面では「渉」を使用
例文:
- 「急流を歩いて渉るのは危険です」
- 「登山で渓流を渉る際は慎重に行動しましょう」
- 「複雑な交渉を渉り切るには経験が必要です」
- 「困難な状況を渉って目標を達成しました」
熟語での使い分け 「さんずいに歩く」漢字「渉」が含まれる熟語は、多くが「困難」「複雑」「関わり」を表現しています。
- 交渉:複雑な人間関係の中での話し合い
- 干渉:他人の事柄への立ち入り
- 渉外:外部との複雑な関係調整
一方、「渡」を使った熟語は、より一般的で安全な移動を表します。
- 渡航:船や飛行機での移動
- 引き渡し:確実な受け渡し
- 渡来:海外からの到来
この使い分けを理解することで、「さんずいに歩く」漢字「渉」の持つ深い意味と、適切な使用場面がより明確になります。
「渉」の人名読みと名前での使用
実は「さんずいに歩」は、男の子の名前でもとても人気があります。
人名用漢字として使う場合は「わたる」「しょう」どちらもOKです。
特に「渉(わたる)」は、「広い世界へ渡る」「多くの人と関わる」など、前向きなイメージで名付けに選ばれます。
【実際の名前例】
- 渉(わたる)くん
- 渉太(しょうた)くん
-
渉司(しょうじ)くん
まとめ
「さんずいに歩」で検索してここまで読んでくださったあなたは、もう「渉」の読み方・意味・使い方、さらには似た漢字との違いまでマスターできたはずです。
- 「さんずいに歩」と書いて「渉(しょう・わたる)」
- 名前や熟語でよく使われ、意味は“水の中を渡る・間を行き来する”
- 成り立ちや象形に注目すると、記憶にも残りやすい
- 似ている漢字との比較や使い分けも意識してみよう
【ワンポイントアドバイス】
漢字を覚えるときは、実際に「さんずいに歩」をノートに書いてみたり、好きな熟語を使って文章を作ってみるのがおすすめです。
「渉」の意味や使い方をしっかり覚えて、ぜひ今日から日常や仕事に活かしてください!